Life is short!

シンガポール在住 4児の母の徒然ブログ

Starry Night Performance

 Starry Night (星月夜)と名付けられた発表会では、子供たちがフィンセント・ファン・ゴッホの同名の作品を見て感じたインスピレーションを、詩や歌、パフォーマンスなど様々な手段を使って表現していました。とても面白いと思ったのは、算数や理科といった教科についても、この作品を通して表現されていたこと。一つのアート作品を軸にして、学びの幅ってこんなに広げることができるんだ、ということに感動し、イキイキと演じる2年生さんたちの姿を誇らしく思った発表会でした。

 

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具体的には、

月と子猫の絵本の朗読:様々な楽器での効果音つき

詩人(の役の子供たち)がでてきて、作品を見て浮かんだ言葉から作った詩の暗唱

アーティストがでてきて、自分が描いたStarry Nightの絵の発表

数学者がでてきて、絵の中に見つけた様々な形や数について発表

科学者がでてきて、絵を描く時におきる物質の変化(絵の具は液体、乾くと個体)発表

探究者がでてきて、この絵やゴッホにまつわる疑問を提示

などなど。最後は、日本の七夕について、短冊に願いを書いて星に祈る行事であることが紹介され、「たなばたさま」をみんなで日本語で歌ってフィナーレとなりました。

 

体育館の大きなステージで、台本があり、なんどもなんども練習があって、全校生徒と保護者を前に行う日本の学芸会と比べたら、メチャメチャ素朴です。ステージも特にない集会用ホールでやるし、衣装も「自分の役にあったイメージの服できてね」といったユルい指示でそれぞれ考えるので、みんなバラバラ。でもそこには、子供達がアート作品に触れた時の「感じ」や「気持ち」が見えたし、算数や理科での学びがただの知識ではなく、絵の鑑賞にもつなげられることを、子供たち自身が語っていました。「教科横断の学び」なんていうフレーズにしてしまうと、ちょっとつまらなく感じてしまうほど、豊かな学びの集大成でした。

国際バカロレア(IB) の初等教育(PYP)では、教科ごとの学習ももちろん大切ながら、それだけでは不十分であり、教科の垣根を超えて学習すること、実践に即したスキルを習得すること、が重要視されています。教科学習でもいわゆる「教科書」はなく、オンラインの資料などを使いながら手を動かして実験したり、教室の外に出たりして「自ら体験して学ぶ」ことが圧倒的に多いです。児童期の学びの形として素晴らしいなあと思う一方、保護者視点からすると「教科書のここからここまでの範囲を学んでいる」とか「テストは・・点だった」などの基準があった方が、わかりやすいと言えばわかりやすい(私たちは圧倒的にそっちに慣らされている)。さらに「教科の垣根を超えた学習」となると、何をやっているのか、からわかりにくい状態になり得ると思います。今回のパフォーマンスは、感覚的ではありますが、子供たちの学びが、教科を超えてどう全体としてつながっているか、が可視化されたような気がしました。

 

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